2017年2月1日水曜日

若竹七海の本が読みたい



若竹七海の本にはじめて出会ったのは十数年前。

「古書店アゼリアの死体」という本でした。


「古書店アゼリア」という音の響きの良さと、
ちょっととぼけたようなかわいいイラストの感じに興味を惹かれ、
1ページ目を読んでみると・・・、
最初からおもしろい!

すぐに購入し、読みふけりました。

それから十数年の間、ふと思い出しては書店や図書館で若竹七海コーナーをチェックし、
気分に合いそうなものがあれば読んできました。
なぜだか周期的にこの著者の本が読みたくなるのです。


と言っても・・・、この著者の本はおもしろいのですが、
意外と「痛そう」な描写や読後感があまりよくないものもあり、
ちょっと距離を置いた「好き」という感じでした。

しかし、認識を新たにする著作との出会いがありました。



「さよならの手口」です。


この本を読んで初めて、私が読んできた彼女の本は

ハードボイルド小説が多いのだと知りました。(気づくの遅すぎる・・・)


「私はハードボイルド小説は好きではない」
(というか、ハードボイルド小説が何かもよくわかっていない・・・)

という自覚があったため、この事実がわかった時、
自分の新たな一面を知ったようでちょっとびっくりしました。


もちろん、若竹七海さんの絶妙なさじ加減で、
わたしのような読者でも引き込まれてしまうのですが。



例えば・・・「さよならの手口」の主人公、葉村晶は女性の探偵です。

探偵というと無骨そうで日々の暮らしは雑な感じなのかな・・・と思いきや、
食事をつくる時はパンを焼いたり、料理をきちんとする。
掃除もできるときはきちんとする。


いろんなことに巻き込まれてできないこともあるようですが、
基本は、部屋を整えたり、日々の営みをある程度きちっとすることが大事だと思っている人。


そんな主人公だから、ちょっとハードな内容の事件に巻き込まれても、
日々の営みを仕切り直すことで、なんとか自分を立て直していく。
事件の合間にちょっと描かれる、葉村晶の日々の描写はとても魅力的です。



・・・かく言う私は、かつて日々の営みの大切さを全くわかっておらず、
体調を崩したり、物事が上手くいかなかったりを経験してきました(トホホ)。



今はその分巻き返してやろう!と気合だけは十分です。

そんな私だから余計に、
若竹七海さんの描く女性ハードボイルド小説に魅かれてしまうのかもしれません・・・。
















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