若竹七海の本にはじめて出会ったのは十数年前。
「古書店アゼリアの死体」という本でした。
「古書店アゼリア」という音の響きの良さと、
ちょっととぼけたようなかわいいイラストの感じに興味を惹かれ、
1ページ目を読んでみると・・・、
最初からおもしろい!
すぐに購入し、読みふけりました。
それから十数年の間、ふと思い出しては書店や図書館で若竹七海コーナーをチェックし、
気分に合いそうなものがあれば読んできました。
なぜだか周期的にこの著者の本が読みたくなるのです。
なぜだか周期的にこの著者の本が読みたくなるのです。
と言っても・・・、この著者の本はおもしろいのですが、
意外と「痛そう」な描写や読後感があまりよくないものもあり、
ちょっと距離を置いた「好き」という感じでした。
しかし、認識を新たにする著作との出会いがありました。
「さよならの手口」です。
この本を読んで初めて、私が読んできた彼女の本は
ハードボイルド小説が多いのだと知りました。(気づくの遅すぎる・・・)
「私はハードボイルド小説は好きではない」
(というか、ハードボイルド小説が何かもよくわかっていない・・・)
という自覚があったため、この事実がわかった時、
自分の新たな一面を知ったようでちょっとびっくりしました。
(というか、ハードボイルド小説が何かもよくわかっていない・・・)
という自覚があったため、この事実がわかった時、
自分の新たな一面を知ったようでちょっとびっくりしました。
もちろん、若竹七海さんの絶妙なさじ加減で、
わたしのような読者でも引き込まれてしまうのですが。
例えば・・・「さよならの手口」の主人公、葉村晶は女性の探偵です。
探偵というと無骨そうで日々の暮らしは雑な感じなのかな・・・と思いきや、
食事をつくる時はパンを焼いたり、料理をきちんとする。
掃除もできるときはきちんとする。
いろんなことに巻き込まれてできないこともあるようですが、
基本は、部屋を整えたり、日々の営みをある程度きちっとすることが大事だと思っている人。
そんな主人公だから、ちょっとハードな内容の事件に巻き込まれても、
日々の営みを仕切り直すことで、なんとか自分を立て直していく。
事件の合間にちょっと描かれる、葉村晶の日々の描写はとても魅力的です。
・・・かく言う私は、かつて日々の営みの大切さを全くわかっておらず、
体調を崩したり、物事が上手くいかなかったりを経験してきました(トホホ)。
今はその分巻き返してやろう!と気合だけは十分です。
そんな私だから余計に、
若竹七海さんの描く女性ハードボイルド小説に魅かれてしまうのかもしれません・・・。
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